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かがみ

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何も要らないって言ったところで何になるのか分からないのは

2009.11.23 未分類
65更新しました。本当なら土曜か日曜に更新しようと思ってたんですが、なんかそんな気分じゃなかったので。
しかし、まあ……ここまで言ったらもう説明するまでもなく、ルイスの正体は分かっちゃうと思うんですけどね。もう少ししたらルイスさんが全部語ってくれます。もう少ししたら、ですが。
最近幸福の流れとか詳細とかを考えていたら、ちょっと恋愛ものっぽく見えてきたような気がしました。とはいえ作者としては恋愛なんて書く気がないんですが、傍から見ればそういうふうに見えるのかもしれない、と思ったりするわけであって。というか設定上、恋愛ものになることは不可能なんだと思うんですが。読者の中には恋愛ものにしたがる人ってのもいますよね。
まあ、そんなことはどうでもいいことですね。というわけで今回の話について。


65
「ほら、見て。風が君に手を差し伸べてる。世界は君を必要として、君は世界を必要としている。そこに偽りなんてなく、また改変の余地もない。それはそれとして存在し、君は君としてそれを受け入れている。何の疑いもなく、ただひたすら頷き続けている。突然の意識でも、それが解放されるなら、君は瞬時にその命の意味を失うだろう。だから、君は今のままで、この世界の中に生きていけばいいんだ。命を喰い合い、幸福を奪い合う、そんな負の感情の溢れた世界でも、君の居場所は私の中にちゃんとあるから……」
アイザックはいい奴だ。傍から見れば。

「ねえルイス。確かに君は、今ここで生きてるんだよ。君のままで生きてるんだよ。どうかそれを忘れないでいて。自分は他のものだなんて、間違っても考えたりしないでね。もしそうなりそうになったなら、すぐに私のことを思い出して。私が君に話したことを、どうか思い出して。私が話している相手はルイスだってこと、私が見ているのはルイスだってこと、私が想っているのはルイスだってことを、どうか思い出して。私は君を見てるんだよ。他の誰でもない、ルイスという人を、私はずっと見つめている。たとえその姿が変わっても、私は君の存在を否定したりしない。だって私は、君のことを守ると約束したんだから――」
「わたしが話しているのは、アイザック。わたしもきっと、あなたのこと、姿が変わっても覚えているよ。否定なんてしないよ」
「……ありがとう。でも、私のことは気にしないで」

ルイスもいい奴だ。傍から見れば。

 ここにあるものは何なのだろう。これは誰かの深い光? 消すことのできない過去? だけど、その存在は淡く揺れていて不確かで、人間が垣間見る夢のように現実離れしている。
 それでも偽りのない久遠の記憶。忘却の彼方に煌めく炎。
 誰も知らない――知ることさえできない、人々の中に巣食う負の記憶か。誰も気づくことはなく、さっと通り過ぎてしまうけれど、確かにそれは人々の中にあるものだった。そしてそんな負の心に約束した者が一人。

豊くんてばネタばれしそうなことをおっしゃってるよ。


なんか、今回の話はコメントし難いですね。
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そうして残ったのはほんの小さな後悔で

2009.11.05 未分類
俺はそっと静寂に触れ、世界を偽りのない裸眼で見てみようと思う。

ご無沙汰してます。文月です。
長かった64話をようやく更新できました。容量だけを見ると、幸福が始まって以来の長さとなっております。イコール物語と関係ない文章が無駄に多いということであって。
でも、まあ……それを削除したところで何の意味もないと思ったので、書いた文章はそのまま載せてあります。今回はちょっと嫌なことがあったんで、それに対する答えというか結論というか、そういうものも含まれております。
そして現在のBGMは浜崎さんの「ever free」原曲。シングルにしか入ってないから探すのに苦労しました。ええ。原曲以外なら聴いたことあったんですけどね。
というわけで、今回の話について語っていこうかと。


64
 どうして人は悩まずにはいられないんだろう。それによって自分をさらに追い込むだけなのに。嫌なことや思い出したくないことは、全て闇に葬り去ってしまえばいいものを。どうして人にはそれができないんだろう。どうして人間はこんなにも、弱い生き物なんだろう。こんなことを繰り返して、自分の中に残るものは何だろう。蓄積されていった未来に待っているものとは?
そんなことを今更聞かないでください、豊くん。

 ……あの時の感情。それは確かに今でも生きている。自分が意識した瞬間に淡く甦り、徐々に自分の全てに侵入し始める。そうなるのはきっとまだ未練があるからだろう。その足枷に囚われている限り、自分は前へ進むことが――変わることができないというのだろうか。
覚えているだけで、残っているだけで、それが足枷となっているわけじゃないとも思う。けど、それが自分を引き止めていることもまた確か。

「私は他の誰よりもこの子を愛している。だから私はこの子を守らなきゃ――」
 背の高い方がきりっとした顔で言う。この感覚、以前ルピスに会った時とそっくりだ。一つ一つの言葉から恐ろしいくらいに強い意志が滲み出ている。それ故、俺たちが何を言っても相手の心を動かすことは不可能のように思えてくるんだろう。確かめてもいない事実に嘆いたって仕方がないっていうのにさ、俺たちは本当に可哀想な種族だよな。

この台詞は多分、もうすでにルピスのものじゃなかったと思う。
そういえばSでラスが「可哀想だと思えることが可哀想だ」とか言ってましたね。この豊の考えを見ていると、その言葉の意味も分かりそうな気がしてきます。

 どこまでが史実で、どこからが俺なのか。
 そんなことはもう分からない。考えるだけで混乱しそうだ。あの神ですら俺のことを知らないようだった。だけど未来の世界で、エアーは俺の正体に気づいていた。

大丈夫、作者ですら混乱しそうなことですから。

「ねえ知っている? 時や空間は神ですら自在に操ることができないのよ。それができるのはほんの少数の生命だけ。私はそんな生命を監視し、時の流れを調節している時の竜。以前あなた達をティターンに送ったのも私だし、アナやルーチェが用いる機械に力を与えたのも私。私は時を支配するよう神に言われ、今までそうやって生きてきたわ。おかげで私の中の時は壊れてしまったけれど」
ここでまさかの竜さん登場。ちなみに時の竜は水竜たちを知っているけど、水竜たちは時の竜のことを知りません。いや存在自体は知っているけど、どんな人なのかは知らないということです。

 きっとすべての人間が、何かを愛したり憎んだりし続けている。どんなものでも愛せる人なんていないように、何もかもを憎むだけの生活を送る人なんていないのだろう。また、どれほど救いようのないものでも愛せる人もいれば、愛すべきものを嫉妬心に支配され憎む人もいる。そうやって二つの感情をコントロールし切れず、人々はいつも苦しんでいる。正と負、二つの意志が互いに互いを支え合い、人間の心を形成する。正だけの心や負だけの心なんて存在せず、必ず二つの意志を持ち合わせているのが人間ってものだ。だからきっといつかは気づく。どれほど気に食わないものでも、単純に負の感情をぶつけ合うのでは何の意味もないのだと。そして人々は許すことを知る。穏やかな心持ちで、春の暖かな風のように、そっと憎んでいたものの肌を撫で、そのまま通り過ぎて消えてゆく。そうしてそれに気づいた相手が振り返っても気づかずに、ただ美しい瞳で空を見上げ、憎悪の意識をふっと手放して歩き出す。……ただ、それができるようになるまでに、たくさんの苦悩が待ち構えているだろう。一度答えに辿り着いたと思っても、ふと我に返れば新しい欲望が手招きしていて、また人々は深く考えなければならなくなる。人間は生きている限り悩みから解放されることはなく、常に自分と向き合いながら答えを探し続けるしかない。そして自分には理解できないことでも許さねばならなくなり、だけど許すことをやめることもできず、また永遠と対峙する心地がするのだろう。そうして後に残るのは、刹那に染められた淡い空白。
長い。長いけど、これがさっき言ってた答えというか結論というか。そういうものです。
本当にね、負の感情をぶつけ合うだけじゃ、何の解決にもならないと思うんですよ。だけど相手を許すという行為も、なかなか自分を偽らずにできるようなことじゃない。

 そして、今まで嫌っていたあいつのことも――いや、俺は腹の底からあいつを嫌ってたわけじゃなかった。ただ自分の幻影が見えるようで、怖かったから、必要以上に距離をあけ、その理由を憎悪に任せ切っていただけなんだろう。そんなことをしていても何も変わらない。変わるはずがなかったんだ。俺があいつをそういう目で見ている限り、あいつが俺に心を開くことは決してない。だから俺は過去の因縁を捨て、新しい視点であいつを見てみようと思う。もう旧い考えに捕らわれてる場合じゃない。俺が俺として生きるのなら、前へ進み始めなければならないんだ、きっと。
なんていうかもう、豊、大好きだ。


……しかし豊は本当に考えがコロコロとよく変わる人ですね。なんだかんだで周りに流されやすいのかもしれません。
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