かがみ

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ようやく

2012.06.30 未分類
月夜更新しました。
先週更新できなかった理由は、身内のお葬式があったからです。
そんなわけでいつものように、今日の更新内容を抜粋。

36
「髪、揃えてやるよ。じっとしてな」
 傍の棚から小さな鋏を取り出し、エダは俺の時間を奪う。ベッドの上に座り込み、ばらばらになっていた髪を彼に短時間で揃えてもらった。手の上に落ちてくる自分の髪を眺めながら俺は心地よさを感じていた。昔から憧れていた関係がようやく形成されたのだと気付き、そんなことは知らなければよかったと思った。

このシーン、当初の予定では組織に乗り込む直前の気合い入れとして、ヤウラさんに髪を切ってもらうはずでした。
それがどういうわけかエダさんになってしまい、そしてなぜだかやたらいい雰囲気になったという。
いや本当に、エダさんは変わった。

「お前がどう思ってるかは知らないが、ここはお前の家だ。この家はいつだって、お前に対し扉を開いて待っている。帰りたくなったらいつでも帰ってこい。俺もヨウトも、お前の帰りを待っているから」
扉を開いて待っている、という表現は以前にも書いていたはず。
それはまだエダさんに苛められていた頃のこと。

「友達を作る時に性別なんて考えるか? それと同じで、恋愛するのに性別なんて必要ないだろ」
 友人と恋人は違う。友人はその場限りのものだけど、恋人は一生を共に暮らす言わば自分の半身のようなものだ。それを時の迷いで決めただけの者と形成しても構わないのだろうか。ずっと裏切らないという保証などないはずなのに、理屈を抜きにして感情のみで決定してしまっても許されるのだろうか。

友達と恋人の違いってのは考えてみると面白い。
はっきりした境界線が見えないからこそ書きがいがあるというか。
まあ小説ってだいたいそんなもんですよね。

「俺なんかでよければ、話を聞くことはできるけど」
この台詞の後半部分、以前に書いたものと全く同じです。

「ラザーと初めて会った時のこと、俺はまだ覚えてるよ。あの日も今日みたいに月の綺麗な夜だった」
 樹と知り合った日の夜など、俺の記憶にはもう残っていなかった。こんなに大切な思い出になるのなら、最初から知らせてくれればよかったものを。だから俺は何も言えない。

ここを書いていた時のBGMは間違いなく「MOON」だったんでしょうね。

「キヨアキって、見城清明のことか?」
 それは俺にとって聞き覚えのある名前だった。ずっと昔、まだ組織に来て間もない頃のケキがそう名乗っていたことを知っている。いつから名前を変えたのか、なぜ変える必要があったのかは分からないが、その時まで確かに彼は清明として生きていた。

ようやく出てきたケキさんの本名。
でも名字が河野じゃないという不思議。

「知っているが、あんたには教えない」
 彼が何を知っているかは分からないが、今のあいつの状況を話したところで何の得にもならないだろう。ただ俺のかわし方がまずかったようで、相手はますます俺の肩に両手を食い込ませてきた。

ラザーくん、あんたそれ一番やっちゃいけないかわし方だよ。

「……ただいま」
「うん、よろしい!」
 ぱっと笑顔になる相手を真正面から見るほど落ち着いてはいられなかった。単なる挨拶であるはずなのに、どうしてこんなにも恥ずかしくなってしまうのだろう。思わず口元を手で覆ってしまう。

何気に珍しいラザーが恥ずかしがる場面。

「てめえら、人のこと笑ってんじゃねえよ!」
「だってエダさん、おっかしいんだもん!」
「ははは……」

ラザーが……笑ってる!?
というのがここを書いた時の感想でした。
いや以前にも笑ってたシーンはあったけど、それはあくまでも微笑だったわけで、こんなふうに声を出して笑うシーンは初めてだったはず。
前回では声を上げて泣いてたし、エダさんの前ではいろいろと抑える気構えがなくなったってことですね。
それはこのシーンの少し前に出てきた通り、ラザーはエダさんのことを兄みたいに思うようになったから、というのが理由です。
なぜそう思うようになったかというと、それはもちろん前回のことがあったからでしょう。

今回はなかなか希望の見えてくるような回だったなぁと思いました。
そしていよいよ次回はケキさんのエピソードに。この人の話も書きたかったんですよね、すごく。
詳しいことは次回書くとして、ちゃんと週一更新ができるように頑張りたいと思っております。ええ。
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諸事情により

2012.06.20 未分類
次回の更新は来週になります。
今週はたぶん無理です。どう考えても。
そしてこれは誰のせいでもありません。
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やりやがったよこいつ!

2012.06.16 未分類
月夜更新しました。
念願の週一更新達成。自分でもびっくりです。
やればできるもんなんですね。笑

35
「今晩はずっと一緒にいてあげるよ」
「お前なんか、死んじまえ……死んで内臓ぶちまけて、鳥の餌にでもなっちまえ!」
 身体がソファに沈んでいく。身動きができず、手にはナイフも持っていない。
「心配いらない、夜なんてすぐに終わってしまうから」
「この下衆野郎!」

実は珍しいラザーの暴言。
いつも厳しかったり素っ気なかったりする彼ですが、こんなはっきりした暴言を吐くことはあまりないようでした。

『自由になりたいなら殺してしまえ。家に辿り着いたらまた殺されるぞ、お前はそれでも構わないのか』
 彼はまた刃物を手に握り締めていた。いつだって彼は人を殺す準備を完璧に進めている。俺の首には銀の金具が取り付けられていて、呼吸をする自由だって奪われていたんだ。それが何を意味するか分からないほど愚かではない。

ロイがラザーに近付く者に警戒をして刃物を握り締めている、という設定の元ネタは、昔に描いた絵だったりします。

「エダ」
「ああ」
 エダだった。彼は間違いなくエダだった。灰色の中に一つだけ色彩が浮かんでいる。それを導火線とし、目の中に色が強風と共に描かれた。

このシーンの相手はエダさんかケキさんかで悩みましたが、後の描写を考えて結局当初の予定のままエダさんにしました。
でもケキさんでも書いてみたかったなぁとかなんとか思っていたり。

 彼は手をくるりと裏返した。支えを失った機械は重力に従い、まっすぐ地面へと落下する。
 張りつめられた静寂に騒音が生まれた。
「どうして――」
 彼の足が機械を踏み潰していた。二度、三度と踏みつけて、人間が作った物質がばらばらに分解されていく。

このシーンを書きたかったんだ!!!
だからラザー君には不幸になってもらったと言っても過言ではない。

「俺が助けたいと思ったからだよ」
 真面目な顔が俺を見ていた。急速に息を止められた気がした。見上げていた全てのものが滲み始め、俺の中の殺意がしんしんと洗い流されてゆく。

今回の話は何気にいいシーンが多い。
エダさんがイケメンになるなんて、一体誰が想像しただろう。当然のように作者も想像してませんでした。

 これは、そうなんだ。俺が犠牲になって傷つくということは、俺のことを少しでも知り、心配してくれる人もまた同じように傷つくということなんだ。そんなことは知らなかった。俺は誰かを守ろうと必死になっていたのに、本当は別の方向から絶えず癒されない傷を作り続けていたということなのだろうか。
やっと気付いたよこいつ!
樹は一回目で気付いたってのに……

「ロイ」
 唐突に重さを感じた。俺はヨウトに抱き締められていた。相手の顔は俺の胸に埋もれて全く見えなくなっている。
「もう、いなくなったりしたら、やだよ」
「――うん」

ヨウトはいいムードメーカー。
もちろんそれ以上の役割もあるってことです。

「平気だ。身体を出たら、俺の所に来ればいい。受け止める準備なら既に整っているから」
 彼の声が澄んだ歌のように聞こえた。
 やがてそこに達した俺は、彼の中を目指して飛んだ。とても高い空だった。それは青空ではなく星も月もない夜空で、彼の残した道標を辿って進むとちゃんと彼の元へ辿り着くことができた。

最後の描写がやたら長くなってしまったので今回の話の長さが増大したことは言うまでもない。
そしてエダさんばかりが目立ち、いつのまにかすごくいい奴になっていたという。

今回の話は過去最長です。記録を更新したらしいです。そんな記録は更新したくなかったとかなんとか思うものの、この長い話を一週間もせず書き上げられたのは、書きたかったシーンが含まれていたからかと。あのエダさんのカメラをぐしゃっとするシーンが書きたくて身売りネタを書いたようなもんです。いや、本当に。
エダさんがいいお兄ちゃんポジションになってきたところで、次回はいよいよあいつに会いに行くかな、というところでしょうか。このまま進んだら40話で完結できそうな気がして、それがなんだかちょっとだけ淋しく感じている作者でした。
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次の話を書きたいが為に

2012.06.10 未分類
月夜更新しました。
週一更新を目指し中。

34
「この前の二日酔いのお兄さん。またお会いしましたね」
 両手で大事そうに花を抱える女が俺の隣に立っている。彼女は、そうだ、昨日声をかけてきた相手だ。道で倒れそうになっていた俺を引っ張り上げ、水を与えてくれた花屋の少女だった。

「水を与えてくれる」とか「花」という単語の元ネタは某短編です。
死者にはなんたらかんたらというあの話です。

『やめろ!』
 目の奥で幾度も「あの光景」が描かれる。

ここにきてようやく思い出したラザーくん。
嫌なことやつらいことは全て忘れることで解決しようとしていたらしい。

「もしそいつが貧しい人間で、あるいは貴族であっても皆から嫌われてたとしたら、誰もそいつを偲ぶことがないかもしれないけど、それでも墓だけは誰かが建ててくれるのかな、って思って」
「――泣いているのか」
 右目に手を当ててみたけれど、涙など流れていなかった。それなのにエダは目を丸くして驚いている。俺には彼が泣いているように見えた。それは自分が泣きたいと思っているからなのだろうか。

この部分にはいろんな意味が込められてます。
説明したくて仕方がないけど、今は我慢。

『人殺し!』
 右手の指から生温かい血が滴り落ちる。
『化け物のくせに』
 濡れた大地は跡を消してくれた。俺の罪を洗ってくれた。
『そしてもう出てくるな』
 どうして今になって思い出してしまうのか。なぜ忘れたはずの彼の言葉が俺の中に甦ったのか。

また一つネタばらし。
彼はまだあの時言われたことを覚えていたらしい。

「俺にたてつくつもりか? あの女がどうなってもいいのか、うん? お前に用意された選択肢なんて最初からないんだよ、黙って俺に屈服しろ!」
 胸の重さが消えぬまま、相手の言葉の意味を必死になって探った。それでも何も分からなくて怖くなる。

なんとも珍しいことに、今回の話は動きが多いですね。

「私はずっと君を探していたんだ。君は美しい髪を持っていると聞いたからね」
 白髪混じりの汚らしい男の手が俺の服を剥ぐ。胸に光るアニスの十字架だけじゃ、俺をこの男から守ることはできない。

鬱展開は短めに。

今回の話は次回への布石です。
さーて次回は一体いつ更新できるのやら……もちろん週一更新を目指してますよ、ええ。
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短編とか○年ぶりですね!!

2012.06.02 未分類
短編書きました。なぜなら、突然ネタが降ってきたからです。
これは書けという合図なんだと思いました。
が、当初の構造とは何やらいろいろと変わった形となって完結してしまいました。まあ大きな違いはなかったからいいんですが……
この話について言いたいことは一つだけ。

ここはいつからBLサイトになったんだよ!!!! ……と。

そうなったのは全部月夜のせいだ。絶対に月夜のせいだ。あの話だってもともとはそっち系の話じゃなかったのに、一番近くにいたのが樹だったことが全ての原因だったに違いない!
とか何とか思うことはいろいろありますが、まあ今回の短編の内容を見てみると、あら普段の作者どおりの文章&展開ですこと! という感じのお話になったと思ってます。要するに、盛り上がらない&心理描写ばっかりってやつですね!笑
それで、なんでびーえるにしたのかというと、主人公が女の子だと例のシーンですんごくやらしいことになりそうだったし、かと言って相手(この場合はエリクくん)を女の子にしたらそれもやらしいことになりそうだったので、そーいうのがメインの話じゃないんで両方男にしたってわけです。あのシーン書かなきゃよかったじゃんとかそういうツッコミはなしで。あれは書かなきゃならなかったんですってば。
というわけで、今回はいつも以上に「説明」をしてません。それぞれの単語がどういうことを表しているのか、それを考えながら読んでくれると嬉しいです。
ちなみに今回はR15指定です。例のシーンはソフトに書いてるのでR18じゃないって感じですね。いや月夜でもそんなに詳細に書いてるわけじゃないんですが……というか月夜がR18なのって心理描写の方に問題があるからなんですってば。
まあ、今回の話に限らず、作者がBL書こうとしたって所詮はこの程度、というか軸が違うところにあるのが見え見え、ってことがよく分かるものになったと思いました。
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